つくり手 creator
無垢材にふれると、つい顔がほころんでしまう。
代表兼親方 村松正吉
今は少なくなった、無垢の材料や日本間。最近の住宅は、芯材に表面シート加工した材料を使うことが多くなった。無垢より安いし、品質も安定している。しかし50年近く大工をやってきた今でも、無垢の材料と出会うと、大工としての心が高ぶる。今は親方だから、現場ではウチの大工たちに作業を任せることが多い。大工として脂ののった職人ばかりだから、安心だ。しかし無垢の材料だけは、自分の目立てしたノコで引きたいし、愛用の鉋で削ってもみたくなる。長年使い込んだ尺の定規も無垢材にしっくりと馴染む。無垢材と尺定規。大工になってよかった。

理想デザインを共有できる、
設計打ち合わせが大好きだ。
設計・大工兼工務 村松輝臣
設計士になる前は、大工として設計の意図やお客さんの想いをくみ取れるように考えながら工事していた。住宅設計を自分自身でやるようになってから、図面引きをスムーズに進めるには、施主さんご家族の話をよく聞く「耳」が必要だと痛感した。そして設計士として譲れない箇所をハッキリと言える「口」も必要だとわかった。安全を怠るわけにはいかないからだ。だから自分の設計は、施主さんとのひざ詰め打ち合わせが基本だ。施主さんの都合で深夜までの打ち合わせが続いたこともあった。でも楽しくて、仕方がなかった。自分でも驚くほど、会話をする家造りが好きなのだ。
